自動運転実証実験を行う福井県永平寺町の見どころとは

前回は、福井県永平寺町で行われた自動運転の実証実験についてリポートした。この自動運転が実用化された際には、地元の方の足として、そして地元以外の方にも観光の一貫として利用してもらいたいという。そこで、私たちも自動運転体験だけではなく、永平寺町周辺ではどんな魅力的な観光スポットがあるのか、街を巡ってみることにした。

福井県を訪れるのが初めてだった私は、今回まっさらなイメージで小松空港に降り立った。ここから金沢方面へ向かったことはあるけれど、はたして福井はどういうところなんだろう。空港で高速バスのチケットを買って、約1時間弱走り、福井市の中心となる福井駅へ。しばらくはのどかな風景が続いていたが、駅へ近づくにつれて再開発された綺麗な街並みが広がってきた。

到着したときにはもう夜になっていたのだが、駅前の広場に何やら黒い影がにょきにょきと立っているのが目に入った。なんだろうと思って目を凝らしてみると……なんとそれは、恐竜!さらによくよく見ると、駅の壁には恐竜の絵が描かれていたり、その辺のベンチに恐竜が腰掛けているなんてことも。もちろんこれはオブジェなのだが、福井がこんなに“恐竜推し”だということを初めて知った。

なんでも福井には世界三大恐竜博物館の一つといわれる「福井県立恐竜博物館」(福井県勝山市村岡町寺尾51-11)があり、そこでは福井県で発掘され復元された恐竜の骨格のほか、全44体もの恐竜が展示されているそうだ。発掘体験ができる場所もあったり、小学校向けに恐竜授業と呼ばれる学校教育支援プログラムも行っているとか。今回は残念ながら恐竜博物館には行けなかったのだが、一度行ったことのあるスタッフは大人でも大満足な博物館だったと熱く語っていた。

福井駅。改装されて綺麗になっている

自動運転の実証実験が行われたのは、福井駅からえちぜん鉄道で約25分ほど行った永平寺口駅から永平寺の参道までの約6kmの区間。まずは永平寺口駅へ行くために福井駅から切符を買うと、改札で駅員さんがぱちんと切符にハサミを入れてくれたことが新鮮だった(多くの方は懐かしい?)。永平寺口駅に着くと、 昔ながらの可愛らしい駅舎があり、電車を降りると自然の香りがいっぱいして、このホームで日向ぼっこしながらのんびり過ごすだけでもいいなぁという気分になる。

永平寺口駅。車両が少ないのも趣がある

自動運転車両に乗り換えても比較的ペースはゆっくりとしているので、のんびりトコトコと散歩しているような感覚になった。永平寺町の豊かな自然を眺めながら永平寺を目指していると、昔の人も永平寺へ参拝するときには、こうやって自然に癒されつつ邪気を落として参拝したのだろうかと勝手な想像が膨らんでくる。約40分の道のりだったけれど、不思議なことにあまり時間の長さを感じなかった。

永平寺は毎年多くの参拝客が訪れると聞いたが、実際に目の当たりにすると、それがすぐに頷けるほど、荘厳な空気をたたえている。石垣はみっしりと苔むしていて、山門や仏殿、法堂などには深い歴史が垣間見え、永平寺一体を包んでいる静寂を肌で感じた。ちょうど紅葉が始まっており、修行僧が落ち葉を掃く様子はまるで絵画のよう。ほんの短い時間ではあったが、永平寺を一回りしてみて、心の重しがすこし軽くなったような気がしていた。

永平寺へ参拝するのによく使われている土産屋などが立ち並ぶ参道は、実は近年できたもので、従来の参道は一本隣の道なのだそう。これからはこの古くから残る参道も活用しようと、現在整備中で、さらにこの参道の途中に一般客も使えるという宿坊を建設している。こういった永平寺近くの宿坊に宿泊して、修行僧のように坐禅などを体験し、じっくりと「禅」の世界観を味わうのもいいかもしれない。

旧参道。右側は建設中の宿坊。2019年秋に開業する予定

余談になるが、福井で食事した際、永平寺近くのアップルパイ屋さんが人気だと聞いた。せっかくなのでそのアップルパイを購入して食べてみると、サクサクでバターの香りがする生地と甘酸っぱいリンゴの味わいがなんとも絶妙!あっという間に完食してしまった。早い時間に売り切れてしまうそうなので、もし食べたい方は午前中に行くことをお勧めする。

永平寺で心を清めたり、福井の自然に触れたりするうちに、もっとゆっくりと福井で時間を過ごしてみたくなった。ぜひ次回は恐竜博物館を含めて福井の魅力を感じられる場所をさらに訪れてみたい。