福井県永平寺町の自動運転実証実験を体験!

福井県吉田郡永平寺町で10月29日〜11月30日の期間、  自動運転の実証実験が行われた。これは、永平寺口駅から永平寺の参道入口までの約6kmをヤマハ発動機のゴルフカートをベースとした自動運転車両を走行させるもので、住民の足として利用してもらったり、観光客に永平寺参拝を目的に乗車してもらうことで地域活性化につなげたいという思いが込められている。我々「みんうご」チームも早速その体験に行ってきた。

福井県の中心となる福井駅からえちぜん鉄道に揺られること約25分、昔懐かしい駅舎の名残を残す永平寺口駅に到着した。ここから多くの観光客が「ゆく年くる年」でも有名な曹洞宗の大本山である永平寺へと参拝に訪れる。

以前は永平寺線が永平寺口駅から永平寺の参道までをつないでいたが、2002年に廃線となり、現在の公共交通機関はバスのみだ。永平寺線の跡地は「永平寺参ろーど」という遊歩道として活用されており、今回はこの「永平寺参ろーど」に電磁誘導線を埋め込み、その上を自動運転車両を走らせる実証実験が行われた。料金は無料で、多くの人に利用してもらうことで、実用化に向けた安全確認やニーズ調査などを行うのである。

ヤマハの電動ゴルフカートをベースとした自動運転車両

自動運転車両はヤマハの電動ゴルフカートをベースとし、4人乗りと6人乗りが用意されている。一度の充電で約40km走行することができ、最高速は20km/hだが、自動運転中は安全のために12km/hを上限としている。始点から終点まで、約6kmの道のりを約40分かけてのんびりと景色を楽しみながら永平寺へと向かおう。

運転席にはドライバーが座るが、緊急時の操作や発進時にアクセルペダルを踏む以外は、ハンドル操作/加速/減速/停止はすべて自動で行われる。途中には7カ所の停留所があり、そこで自動停車して規定の時間まで乗客を待つ(今回は途中乗車する方はいませんでしたが)。

実際に乗ってみると、人が歩くよりも少し早いくらいのスピードということもあり、乗用車は通らない専用道路なので、危険を感じることはほとんどない。電磁誘導線の上を正確にトレースして進むので、進路を外れることなく、目的地までは問題なく到着できた。

もちろん電磁誘導線のセンサー以外に、カメラやセンサー類がついているので、万が一なにかが飛び出してきたときなども停車できるようになっている。これなら地元の高齢者の方なども安全に移動できるのではと感じた。

ドライバーは基本的に操作せず、緊急時や発進の動作のみ介助する。
運行状況などは遠隔監視され、安全に配慮されている

ほぼ自動運転で運行されるが、1カ所国道を渡らなければいけない場所があり、国道を渡る際にはドライバーが手動運転に切り替え、渡り終えるとまた自動運転に復帰する。

また、小学校の通学路と交わるところもあり、そこでは人と自動運転車両の行き来をきちんと信号で調整していた。取材時は小学生の登下校時間を避けて運行するスケジュールとなっていたが、いずれ小学生の登下校にあわせたテストも行いたいとのこと。

国道を渡る時にはもちろんドライバーが安全確認をして運転してくれるので安心だが、国道を走る一般ドライバーはこちらが自動運転の実証実験をしているとは知らない方も多いようで、こちらが何の車両なのかを周囲に認識してもらうことも大切であると感じた。

約40分の道中、のどかな風景を楽しみながらゆったり移動していくと、またクルマとは違う豊かな気持ちが味わえる。自動運転と聞くと、近未来的で無機質なクルマを想像してしまいがちだが、こういった牧歌的な方向もあるのだなぁとその可能性をしみじみ感じた。

もし観光客が乗るのであれば、たとえばこの地域や永平寺の歴史などを解説してもらえたりすると、より利用したいと思える方が増えるのではないだろうか。まだ様々なことが実験段階ではあるので、これから実用に向けてより便利になったり、観光客の好奇心をくすぐるような施策ができれば、住民にも観光客にも喜ばれるようなものになるという可能性を感じた。

永平寺までの道中は素敵な景色を楽しめる

次回は永平寺を含めた永平寺町の観光編をお届けする。

もちろん永平寺にも参拝してきました!