京都の小さな田舎町にUberが走る!、町民が支え合う新しい交通のカタチ

12月初旬。早朝に京都駅へと向かう東海道新幹線に東京駅から乗り込んだ。しかし、今回の目的地は京都駅からさらに北西へ3時間の「海の京都」と呼ばれる日本海に面した京丹後市・丹後町。周辺には天橋立や、舟屋が立ち並ぶ街並みが人気の観光地、伊根町があるこの小さな町で、ある画期的な取り組みが行われているという。

京都駅から山陰本線と丹後鉄道を乗り継ぎ、揺られること約2時間半。車窓からは美しい川や、色づいた山々、狩られたばかりの田んぼなど、日本らしい景色が眺められる。ゆらゆら揺られているうちに、都会でせわしなく動いていた頭が少しずつ緩んで行く。やっぱり自然って癒される。

天橋立から乗り換えた丹後鉄道は、なんとも可愛らしい1両編成。

丹後鉄道の車両

車内には切符の受け渡しをするための車掌さんが座っていて、同じ日本でもその地域の「あたりまえの光景」が特別になる。こんな小さな発見の連続が旅を楽しくさせる。

運転席は左、右に座っているのが車掌さん

後者した峰山駅からさらにバスで北へ向かうこと約30分。東京を出発してからすでに7時間が経とうとしていた。目的の市役所丹後庁舎に到着しバスを降りると目の前には冬の日本海!想像通りの荒れ狂う海が迎えてくれた。

丹後庁舎から見た日本海

NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」の理事長山口洋子さんと広報担当理事の東恒好さんと落ち合い、早速お話を伺った。


NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」の理事長山口洋子さんと広報担当理事の東恒好さん

NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」では、丹後町のまちづくりを住民が主体になって持続可能かつ計画的に進めるための取り組みを行っている。そのうちの一つが、「ささえ合い交通」という公共交通空白地における有償運送サービス。

このサービスは、過疎地域・その他の交通が著しく不便な場所に限り、地元住人がマイカーを使って有償の送迎ができるというもの。町内に駅がなく、交通が不便な丹後町では、1日に10本程度のバスか、週に3日の市営デマンドバス(予約型)はあるものの、タクシー会社がない。高齢者の運転による事故も起きていることから、多くの高齢者は免許を返納しており、病院や買い物に出かけるとなると1日仕事、もしくは誰かの力を借りることになる。

そんな状況の中で、救いとなっているのがこの「ささえ合い交通」だ。この京都の端に位置する小さな町で、スマートフォンのUberアプリを使って必要な時に即時に配車ができるという。

東さんのスマホには、黒いアイコンのUber利用者用アプリと、青いアイコンのUber運転者用アプリがインストールされている

東京でもUberを使ったことのない私は驚きを隠せないが、どのようにこのサービスが成り立っているのだろうという疑問が湧いてくる。

利用者のほとんどは高齢者で、そもそもスマホを使えるのかという疑問はもとより、まずスマホを持っているのかも疑問だ。そして先にもあったように、この丹後町では地元住民の主婦や農家さんなどが本業としてではなく自分の仕事の合間や空き時間にドライバーとして活躍していて平均年齢は63歳。実際にはどのように運営されているのか、早速UBERアプリを使って「ささえ合い交通」に乗って周辺を観光してみることにしよう。

京丹後町でUberアプリを立ち上げると、近くの乗車可能なクルマが表れる