SBドライブ、ハンドルのない自動運転車を初めて公道で走行

ソフトバンクの子会社であるSBドライブは2019年7月3~5日にかけて、東京都港区でハンドルのない自動運転車の公道走行試験を実施した。車両はフランスNavya社製の「ARMA」で、同車として国内で初めてナンバーを取得した。

SBドライブは、東京電力ホールディングスの福島第一原子力発電所内で、ARMAの走行を2018年4月に開始済み。しかし、同所は私有地となるため、公道走行に必要なナンバーは取っていない。

フランスNavya社製の「ARMA」

今回、公道走行にあたっておよそ1年間をかけてナンバーを取得した。実際に苦労したのが、車両の前と後ろを決めることやバックランプの装着、ハイビームがないために日中の走行に限定する、などであった。また、実証試験では、運転手と運転手を補助する保安要員の2人が車両に乗車していた。

発着所で車内に乗り込むと、運転手がゲーム用のコントローラーをもって立っていた。コントローラーは手動操作用で、実際に使ったのは車両が自動で発着所に帰ってきた後に、降車位置まで車両を下げる場合のみだった。

手動操作用のコントローラー

発車準備が整うと、運転手がバスの車内側面にあるタッチパネルを押して行き先を設定して運転をスタートした。コースは1周数百m程度の短い区間だが、途中で何回も右左折があり、また歩道も横切る混在交通での実証だった。

発着所の駐車場を出て、メインの通りに出ようとすると、歩行者が数mに近寄ってきた。バスは一時停止し、歩行者をやり過ごしてから、通りに出た。メインの通りの直線では速度が15km/h程度に達した。仕様上は25km/hまで出るようだ。

メインの通りから右左折する際には歩道を横切ることになるが、この時は一時停止するようにプログラミングされていた。運転手が、安全を確認してタッチパネルを押すと再スタートする。こうした処理を自動化することもできるが、今回は安全面から手動にしたという。

発着場所に戻り、最後に手動運転に切り替えて、運転手がコントローラーで車両を数m後退させた。なぜこの作業が必要だったかは分からないが、ハンドルがなくてもコントローラーでの操縦はできるようだ。

車両寸法は全長4.76×全幅2.11×全高2.65m、車両重量は2470kg、乗車定員は11人(運転手含む)である。駆動モーターの定格出力は15kW。エアコンを付けた場合4時間、付けない場合で8時間程度の運行が可能という。